北村薫『空飛ぶ馬』を読みました/クリスマスが近づくと読みたくなる本です

12月も中旬。

クリスマスが近づいてきました。
クリスマスが近づいてくると読みたくなるのがこの本。

北村薫『空飛ぶ馬』です。

主人公の「私」(大学生)と、ひょんなことから知り合いになった落語家、円紫師匠が、鮮やかに謎を解いていきます。

空飛ぶ馬表紙1

本書には、全部で5編の短編が収められています。

表題作の「空飛ぶ馬」は、クリスマスプレゼントにまつわるお話。

幼稚園に寄贈した木馬が、なぜ消えたのか?

そんな謎解きと絡めて、古典や落語の話題が散りばめられているのも楽しいです。

そして、なんといっても登場人物が、皆、魅力的。

文学と落語が好きな大学生「私」。
「私」の友達、「正ちゃん」。
落語家であり名探偵でもある「円紫師匠」。

「—いい話ですね」
「は?」
「いや、それなら馬が空を飛ぶわけですよ」
ぽかんとした私に、円紫さんはいう。
「天の配剤ということをあなたは信じますか」

 

日常への観察眼の鋭さに驚き、人を見るあたたかな視線に癒されます。

読むたびに、心があたたまります。

空飛ぶ馬表紙2

  • 題名 空飛ぶ馬
  • 著者 北村薫
  • 発行年 1994年
  • 出版社 創元推理文庫

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