【BOOK】吉武大輔『ネガティブ感情向き合い練習帳』/ネガティブ感情は、過去からのメッセージ

イライラ、モヤモヤの原因は、目の前の出来事にあるのではなく、過去の出来事にあると知ったら・・・どう思いますか? このことを、著者の吉武大輔さんは、「感情のレシピ」と名付けています。

◆「感情のレシピ」って何?

本書で紹介されているネガティブ感情は、大きく分けて4つ。

1 怒り…大切なものが大切にされていない
2 悲しみ…あるはずのものが”ない”と感じるとき
3 寂しさ…誰も理解してくれないと感じるとき
4 不安…わからないことがあるとき

これらの感情に「振り回されたくない!」
と思うのは、多くの人が感じることだと思います。

ネガティブ感情は、過去の経験に基づいた反応だということを、
吉武さんは、「感情のレシピ」と名付けています。

感情の多くは、「今、感じていること」ではなく、「過去からの反応によって生じていること」なのです。

p.34

≪感情のレシピ≫ 感情=過去の経験×現在の出来事

同じ出来事を体験しても、「最高!」と感じる人もいれば、反対に「最悪!」と感じる人もいます。
それは、人によって経験してきたことが違うからです。

目の前の出来事に対して、人は、瞬間的に、無自覚に反応しています。

「あんなことがなければ!」
「あいつが悪い!」

これら感情の原因は、目の前の《出来事》にあるととらえる前に、「感情のレシピ」の話を思い出すといいでしょう。

もしかしたら、その感情は、ずっと昔から繰り返し感じてきたことなのかもしれません。

ネガティブ感情表紙4

◆ ネガティブ感情は何を教えてくれるのか?

本書には、「ネガティブ感情は、その人の隠された本心やテーマを表す」と書かれています。

自分の感情が、大きく動いた過去の経験を丁寧に見ていけば、自分が本当にやりたいことが見つかるというのです。

しかし、できれば、「ネガティブ感情」には向き合いたくありませんよね。

本書では、ネガティブ感情に対する一般的な行動として「攻撃」・「逃避」の2つが紹介されています。
これらのことを、回避行動と呼びます。

さらに、
攻撃は、《自責》・《他責》に、逃避は、《無視》、《抑圧》に分かれます。

回避行動ばかりをしていると、いつまでもそのネガティブ感情のドラマから抜け出すことがでず、やりたいことを見つけることができないということになります。

ネガティブ感情表紙2

◆ どうすれば、ネガティブ感情から抜け出せるのか?

一言で言えば、回避行動をしないで、ネガティブな感情と「向き合う」ということになります。

吉武さんは、ネガティブ感情と向き合い、書き換える方法を紹介しています。

① 観察
② 組み合わせる
③ イメージと体感を一致させる

この3つステップの詳しいやり方は、ぜひ本書を読んでみてください。

この方法以外にも、4つのネガティブ感情の解消方法や、
環境を変えたり、心の中のもやもやを書き出したりする方法なども紹介されています。

出来事そのものではなく、その出来事に付随している過去の感情によって、目の前のさまざまな物事を判断している

p.106

ということに気付くだけでも、大きな一歩になります。

もっと詳しく知りたいと思った方は、こちら(Amazon)。

◆ トリガーワード

怒り/悲しみ/寂しさ/不安/感情/反応的・感情的反応/感情が大きく動いたことのウラ/感情のレシピ/過去の経験/思考・言葉・行動/言葉が変えやすい/過去からの焼き回し/価値観/回避行動/戦いをやめる/向き合う→安心/隠されたテーマ/基本感情/自分軸・他人軸/未来軸・過去軸/観察→組み合わせる→イメージを体感/パターン=結果/ドラマを変える

ネガティブ感情表紙3
  • 題名 ネガティブ感情向き合い練習帳
  • 著者 吉武 大輔
  • 発行年 2022年
  • 出版社 光文社