【感情・人格心理学 第3章】部分の集積では、表情を記述できない /「表情」と「感情」が紡ぐ無限の世界

【放送大学『感情・人格心理学』第3章】今回は、「表情」について。感情が、相手に伝わる主要なチャンネルは「表情」。身近過ぎて意識に上らない「表情」ですが、いざ言語化しようとすると、困難を極めます。ロボットやCGで人の「表情」を創ると、「不気味の谷」と言われる現象が起きます。この一因に、「表情の複雑性」があるのではないでしょうか。

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◆ 表情の観察可能性

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これらのことを考えたとき、表情というものは常識的に考えられているように表情を浮かべている人の中にある感情と結びついているよりも、その表情を実際に目で見る他の人との結びつきが強いということがわかるだろう。

この文章を読んだとき、最初は、「なんですと!」と思いましたが、よーく考えてみて納得しました。

人間は、常に自分の表情を意識しているわけではありません。 しかし、常に周りから見られている「表情」。

第3章で、「表情」に関する新たな視点を、手に入れることができました。

◆ 表情を記述することは可能か?

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ロボットやCGで、人間の表情を創ると、創造する過程ではよい印象を与えるのに、「忠実に再現された一歩手前」に至ると、急に嫌悪感を与えるようになります。そして、それを超えると、またよい印象を与えるようになると言われています。この現象を「不気味の谷」と言います。

「表情」を再現するのは、とても難しそうです。

◆ 表情についての研究

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表情をどのようにとらえるのか、様々な研究があります。

観察者が、表情を表した人物の状況や文脈を含めて、内的な感情を推察するという「次元論」の考え方は、たいへん興味深かったです。

ある人の表情の写真を見ただけではその感情は推測できない。

目に見える「表情」以外から、受け取っている情報も、かなり複雑そうです。