『教育研究』2022年12月号の特集テーマは、「子どものリフレクション、教師のリフレクション」でした。「リフレクション=振り返り」と単純に理解していたわたしにとって、目からうろこの特集でした。
◆ リフレクションとは何か?
今回の特集で、度々、引用されていたのが、ドナルド・ショーン(アメリカ、哲学者、1930-1997)のリフレクション論でした。
リフレクションとは、単純に「振り返り」のことだと理解していた私にとっては、目からうろこでした。
私の振り返りとは、達成度の確認程度でした。
リフレクションとは、「行為についての省察」ではなく、「行為の中の省察」。
◆ なぜ大切なのか?
フレット・コルトハーヘン(オランダ、教育学者、1949-)は、ALACTモデルで、リフレクションのプロセスをモデル化しています。
第1局面 行為(action)
第2局面 行為の振り返り(Looking back on the action)
第3局面 本質的な諸相への気づき(Awareness of essential aspects)
第4局面 行為の選択肢の拡大(Creating alternative methods of action)
第5局面 試行(Trial)
授業検討会では、何が起きていたのか、何が問題となっているのかの共有を十分に行わないまま、「○○はもっとこうしたほうがよい」といった改善案を出し合うような場面が依然として見られる。
p.22 渡辺貴裕「「リフレクション」を考え直す」
◆「9つの問い」で授業改善を行う
0.どのような文脈だったか?
1.私(授業者)は何をした?
2.私は何を考えていた?
3.私はどう感じていた?
4.私は何を望んでいた?
5.相手(児童生徒)は何をした?
6.相手は何を考えていた?
7.相手はどう感じていた?
8.相手は何を望んでいた?
研究授業後の検討会では、「○○がよかった」、「○○は、もっと――すればよかった」の発表で終わっています。
本来の「リフレクション」に基づくなら、①授業者と、②児童の立場の二つ視点で振り返り、そのズレを見つけ出すことが、授業改善につながります。
そのきっかけとなるのが、上記の「9つの問い」です。
また、「リフレクション」とは、ある行為をしている最中に行われている「省察」に重点が置かれていることを、初めて知りました。
教室で、子供と対話している時、授業をしている時、、、自分の行動を客観視し(そこで役立つのが「9つの問い」)、絶えず修正・変容していくことが、本来の「「リフレクション」。
奥が深いです。
◆ トリガーワード
ドナルド・ショーン/行為の中の省察/行為についての省察/対象に向けての行為/対象から教えられる/修正/リフレクション イン アクション/今から始めましょう、ではない/ゲシュタルトをかえる/8つの問い