「さっき説明したばかりなのに……」、「子どもが嘘をついてる?」教室では、日々、いろいろなことが起こります。そんな時、どんな「ことばがけ」をしたらいいでしょうか? 迷われた経験がある方は、ぜひ読んでみて下さい!
教室では、日々、いろいろな出来事があり、臨機応変な対応力が求められます。
その一瞬、一瞬に、適切な言葉を選ばなければ、子どもの心が離れていってしまうということになりかねません。
本書では、様々なエピソードが紹介されていて、「こんな場面では、どんなことばがけをしたらいいの?」のという問いに、多くの答えをもらうことができます。
◆「未来志向」とはどういう意味?
「未来志向」とは、子ども自身が、
- 自分を見つめて、前進する力を得ることができる
- 自分の人生を自分で歩くことを志向する
- 自分で考えて、決めて、行動し、よりよい人生にしていこうという意識を高める
ことです。
本書では、このような「ことばがけ」を、実際にどのような場面で、どのように使えばよいのかが、たくさんのエピソードで紹介されています。
◆ 背景・発達段階・心情を読むことが、なぜ大切なのか?
子どもに「ことばがけ」する時、
背景・発達段階・表情を読んで、言葉を選んでいますか?
私は、反応的に言葉を発していることが多く、反省させられました。
背景・発達段階・表情を読んで「ことばがけ」することで、
- 自分で考える
- 自分で決める
- 自分でする
- 自分で責任をもつ
「どんな自分でもOK!」という、
自己受容を高めることにつながります。
「失敗しても大丈夫という感覚を得る」
「自己肯定を高め、自分らしい自分を肯定する」
は、これからの長き人生においてとても大切なことです。
◆ エピソードで学ぶ「ことばがけ」!
本書には、全部で20のエピソードが紹介されています。
それぞれの場面が、「あるある」とうなずかされる場面ばかり。
とても、参考になりました。
教師の側にも、ことばがけをする際に、
- 自分で考える
- 自分で決める
- 自分でする
- 自分で責任をもつ
ことが大切だなと感じました。
①「背景」を読み解く
p.38
【エピソード1】
グラウンドで体育をしていると、クラスの子に、
「先生、暑いので、ジャージを脱いでもいいですか」
と訊かれました。
【エピソード16】
p.110
4年生のAさんは、給食当番の仕事をしようとしません。当番の友だちが、
「Aくん、当番だよ」
と誘っても、だらだらしておしまいです。
その行動の裏には、どんな理由があるのか?
子どもの背景・理由をしっかりと読み解くことで
自律性を促す「ことばがけ」ができると感じました。
一面的な見方だけでなく、多面的な見方で「ことばがけ」をしたいと思ったエピソードが紹介されていました。
②「発達段階」を知る
【エピソード9】
p.76
ここは1年生の教室。授業中、もじもじしながら女の子が寄ってきました。
「先生、トイレ……」
【エピソード20】
p.131
AさんとBさんがけんか。どうやら、AさんがBさんに嫌がらせをしたことが発端の模様です。Aさんはそれを認めていますが、Bさんにされた過去のことを持ち出して、頑として謝ろうとしません。
今まで、このような場面では、表面的な指導で終わっていたことを反省しました。
ここは、子どもの発達段階をしっかりと理解して、言葉を選んだ方がよい場面です。
大きく分けて、「低学年」「中学年」「高学年」のそれぞれの発達段階を知り、「ことばがけ」をすべきだと感じました。
③「心情」に向き合う
【エピソード17】
p.114
Aさんは、算数が大の苦手です。5年生になるまでほとんど授業に参加せず、注意されると離室することもしばしばだったとか。今日の算数の時間も机に突っ伏したまま何もしていません。
【エピソード18】
p.119
時間割が掲示してあるホワイトボードが、床に落ちて壊れています。周りにいた子に状況を尋ねると、休み時間にAさんがホワイトボードを触って遊んでいたとのこと。Aさんに確認すると、
「僕は触ってません。触って遊んでいたのはBさんです」
と言います。ところが、Bさんはホワイトボードのそばには行っていないと言います。
やるべきことをさぼったり、自分の失敗をごまかそうとしたりすることは、誰しもあるところです。
そんな場面でどのような「ことばがけ」をすればよいのか?
子どもの心情に向き合うことが大切だと思いました。
宇野弘恵氏の、背景・発達段階・心情を読んだ、きめ細やかな「ことばがけ」は大変参考になりました。
◆ トリガーワード
自分で決める/判断・決断・行動・選択/先回り×/一人で行動/価値観/発達段階を見る/性格・気質を見る/決めつけ×/背景・文脈を読む/関係性を読む/感情・心情と向き合う/押し付けない/タイミングを読む/理由を探る/尊敬する/どうしたい?/固定観念/感性を見る
伝え方で「180度」変わる!
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- 題名 伝え方で180度変わる! 未来志向の「ことばがけ」
- 著者 宇野 弘恵
- 発行年 2022年
- 出版社 明治図書
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