A…夢に躍らされて操られたまま、生きていくのか? B…夢幻から目覚めて、本物の自分の人生を手に入れるのか? 「人生は、この2つしかない!」たった一度の人生、Aコース、Bコース、どっちを選びますか?
「承認欲求」は、もともと人間に備わっているもの。
適切につき合っていければ、向上心につながり、人生をより良いものにしていけます。
しかし、「認めてもらいたい」という思いが、「もっと、もっと」…と肥大化すると、嫌われることに怯え、ビクビク、おどおどした人生を歩むことになります。
○プラスの承認欲求…「人から認められたい」「一流の人間になろう」→向上心
●マイナスの承認欲求…「排除されたくない」「攻撃をあびたくない」→自己否定
「承認欲求」が強いと、「誰の人生かわからない人生」をフワフワしながら生きることになると諸富氏は警告しています。
さて、あなたは、
A 夢に躍らされて操られたまま、生きていくのか?
B 夢幻から目覚めて、本物の自分の人生を手に入れるのか?
どっちの人生を送りたいですか?
諸富氏は、「人間は、二度生まれる」の意味を、
1度目は、肉体的な誕生
2度目は、承認欲求を捨て、真の自分の人生をスタートさせること
と表現しています。
◆ なぜ、承認欲求は生まれるのか
日本には、昔から、世間、空気を読むという文化があります。
そして、スマートフォンの普及で、SNSが身近なものとなり、「いいね」を得たいという思いが、急速に肥大化しました。
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成育歴における、「親に認めてほしい」、「親から認めてもらえなかった」という思いも、「承認欲求」に大きな影響を与えています。
◆ 「承認欲求」から自由になる!
認めてもらいたいという「承認欲求」から自由になると、他人と比べることが減り、日常を生きるストレスが軽減されます。
これまで、他者に向けていたエネルギーを、自分の内側に向けることができるからです。
それは、自分軸の確立へとつながります。
周りの視線に影響されず、他人の判断に頼らないで、自分の基準で生きていくことができるようになります。
最終的には、「使命・天命への目覚め」につながっていきます。
◆ 「承認欲求」を捨てよう!
では、どうやって「承認欲求」を捨てればいいのか?
本書では、諸富氏が提唱する、「9ステップ自己改造プログラム」が紹介されています。
この9ステップの中から、大切だと感じた2つを紹介します。
ステップ3
「人から認められないと価値がない」というビリーフ(思い込み)に気づく
ビリーフとは、「潜在的な信条=思い込み」のことです。
その中でも、特に人をがんじがらめに縛っているビリーフは、①「他者から認められたり、愛されたりしないと価値がない」というビリーフと、②「失敗したら、おしまいだ(無価値だ)」というビリーフです。こうした非合理で、理にかなっておらず、人を不幸にするビリーフを「イラショナルビリーフ」と呼びます。
p.172
このようなビリーフが、生きづらさの元凶になります。
まずは、このビリーフに、いかに早く気付くかが鍵と言えます。
諸富氏は、これらのビリーフを修正するために、自己論破するという方法を紹介しています。
第7ステップ
自分の内臓感覚とつながって生きる
考えや価値観(自分軸)は、つきつめれば、ほかの誰かから借りてきた「人工物」「作りごと」にすぎません。自分の内側でダイレクトに「これ」と指し示すことのできる「からだの感じ」「内臓感覚」は、はるかにリアルで、確かなものです。
p.184
この内臓感覚は、「違和感」や「直観」に近いものなのかと感じました。
自分の内側としっかりとつながれば、その感覚はより研ぎ澄まされてくるのだと思います。
◆ プライド0、自己肯定100%の生き方へ
一方、本当の自己肯定は、「人から認められるかどうか」などといった条件に左右されません。自分のあるがままを「ただそのまま」にしておける。そうした無条件の、何物にも左右されない不動の在り方です。
p.197
天命・使命によって生きている人は、人からどう見られるかどうかは気にしない。
瞬間瞬間が満たされている。
自己肯定100%の人は、高次動機で生きている人なのです。
以前、諸富氏の講演を聴いたことがあります。
パワフルな話し方と、テンションの高さが印象に残っています。
そして、本書も、そのパワフルさが伝わってくる内容でした。
そのエネルギーが、とても心の深いところまで届く内容でした。
◆ トリガーワード
人の目/完璧主義/HSD/真の喜び/マジョリティ/借り物の人生/同調圧力/人間は二度生まれる/自分軸/他人軸/孤独/自意識過剰/使命・天命/時間やエネルギー/永遠の一瞬/自己肯定100%/魂から喜びに/高次動機/タオの肯定
・ 題名 承認欲求捨ててみた
・ 著者 諸富 祥彦
・ 発行年 2022年
・ 出版社 青春出版社