子供の頃、ルービックキューブで遊んだ人は多いはず。
なんと、世界中で、3億5000万個も売れているそうだ。
ルービックキューブは、1980年に商品化されると、
以降世界で3億5000万個を売り上げ、
人口の7人に1人がこれで遊んだことになるそうだ。
この本は、ルービックキューブを発明したエルノー・ルービックさんの自伝。
◆ 創造力の源は、遊び心
ハンガリーの建築家、ルービックさんは、アカデミーで図法幾何学を教えていた。
そして、ふとした好奇心から思いついたことは、それぞれのピースがバラバラになることなく、自由に動かすことが可能な2×2×2の立体をつくることができるかどうか? ということ。
木材を削って、輪ゴムでつなげて、試してみた。しかし、うまくいかない。
そこで気付いたのが、周辺のピースを支える、中心となるもう一つのピースが必要だということ。
そこで、3×3×3の形にしてみようというアイデアが生まれた。
それぞれのピースがバラバラになることなく、なおかつ、動かすことができる立体!
数年の試行錯誤があって完成!
このピースが、バラバラにならないっていう構造がすごいと思う。
その後、それぞれのピースがどうやって動くのかを研究したみたい。
すべての面が同じ色(試作品は木材だからね)だと、あるピースが動く軌跡を追っていくと、どこへ動いたか見失ってしまう!
そこで、どうせならと、6面すべてに違う色を塗ってみた。それが、現在のルービックキューブの原点。
もともと、パズルを作ろうとは思ってなかったというところがおもしろい。
◆ 遊び心とは?
「school」の語源は、余暇遊びのための空間だそうだ。(しかし、今、学校は遊びの空間になっていないよな)
もともと、勉強は、余暇に楽しむ遊びだったのだろう。
ルービックさんの、想像力があれば何でも楽しめる、楽しむことで人生がつくられるという言葉に納得。
子ども時代の遊びを通じた体験は、大人になってもずっと覚えている。それだけ、子ども時代は多感で、心に鮮烈な印象を残すからだと思う。
子どもは問い掛ける、「なぜ、~なの?」、「どうして、~なの?」と。
「Why」や「How」は、子ども心を取り戻すキーワード。興味のあるものに時間をたっぷりと与えれば、自ずと花は開く。
目的もなく、指示もされず、興味のあることを追究する。
そこには何があるのだろう?
何が隠れているのだろう?
という好奇心・探究心が、遊び心の原点だ!
◆ トリガーワード
見える部分と隠れた部分/情熱/創造性/パズル/ピース/遊び心/図法幾何学/相互依存/センターキューブ/ブタペスト/建築/子ども心を取り戻す/今までなかったものを創る/子どもは遊びの名人
- 題名 四角六面 キューブとわたし
- 著者 エルノー・ルービック
- 訳者 久保 陽子
- 発行年 2022年
- 出版社 光文社