この本の内容は、帯に書かれているコピーが全てを表しています。
「目標は、ばかばかしいぐらい小さくしろ!」
この一言を伝えるために、222ページを費やしていると言ってもいいぐらい。
しかし、一言で表現できるということは、それだけメッセージが明確な、良本ということでもあります。
目から鱗の話が、たっぷりつまった本でした!
☆ 大きな目標を立てて失敗する
人生を大きく変えたいと考えた時、きっと、「よし、明日から○○をするぞ!」と計画を立てたことがある人は多いと思います。
一日、30分運動をしよう!
一日、1時間読書をしよう!
毎日、日記を書こう!
などなど、どの習慣も身に付けることができたら、素晴らしい成果を得ることができそうですが、そう簡単には身に付きません。
逆に、せっかく立てた目標を達成できず(三日坊主で終わってしまい)、ストレスが溜まったり、あーもうだめだと思ってしまったり、することも多いでしょう。
そして、また、今までの生活に逆戻りしてしまう。
ストレスと悪習慣が繰り返される負のサイクルに入ってしまいます。
まさに、今までの自分がそうでした。
では、どうすればよいのか?
筆者が実践したのは、ばかばかしいぐらい小さな目標を立て、実践することでした。
☆ 腕立て伏せ1回チャレンジ
小さな習慣とは、あなたが新たな習慣にしたいと思っている行動を、もっともっと小さい形にしたものです。
毎日、30分筋トレをしようと思っていた人が、「一日1回の腕立て伏せから始めよう」と言われても、きっと、「たったそれだけでいいのか?」と訝しむことでしょう。
けど、このばかばかしいほど小さな目標が、本書の肝なのです。
なんと、著者は、一日一回の腕立て伏せを続けて、最終的には、30分の筋トレを習慣化することに成功したそうです。
この経験をもとに生まれたのが、本書です。
「こんなに簡単でいいの?」と思うくらいがちょうどいいそうです。
「これなら、自分にも楽々できそう」という気持ちと、達成感の積み重ねが、脳の神経回路を組み換え、新しい習慣を身に付けることができるのです。
脳は、大きな変化を目の前にすると抵抗する性質をもっており、驚いた脳は、今まで慣れ親しんだ生活パターンへと戻ろうとするそうです。
今までの、自分の生活を振り返ってみても、納得する言葉です。
脳に沁み込んだ回路を組み替えるためにも、小さな習慣が大切になります。
繰り返すことで、脳が新たな言語を獲得するのです。
☆ モチベーションを上げたいと思ってはいけない
「モチベーションを上げたいと思ってはいけない」この言葉は、衝撃でした。
今までは、何をやるにしても、「よしやるぞ!」というモチベーション(気合い)が大事だと思っていました。
モチベーションがない自分を、ダメだと否定することさえありました。
しかし、この本ではその考えが全否定されます。
行動するのにモチベーションは必要ではないのです。
大事なのは意志の力。
先に行動をとると、モチベーションがすぐにあとを追いかけてきます。
モチベーションは感情に基づいたものなので鍛えることはできませんが、意志の力は筋肉と同じように鍛えることができるのです。
☆ 小さなステップとわずかな意思の力があれば何でもできる
小さな習慣はなぜ優れているのか?
- 自己肯定感が育まれる。
- 目標の圧倒されることがなくなり、自由を体感することができる。
- 気分に関係なく課題を実行できる。
- 「恐れ、疑い、おびえ、ためらい」を克服することができる。
- 集中力と意志の力が高まる。
今まで、身の丈以上の大きな目標を設定し、負のサイクルに陥っていた理由が、本書をよんでよく分かりました。
「ブログを書くこと」もそうだけど、いつも取り組んでいる、「ストレッチ」や「サイクリング」の習慣づくりにこの考えを取り入れていきたいと思いました。
また、ついつい先延ばしにしてしまう物事に対しても、「1つだけ」、「1分だけ」という感覚で取り組んでみたい。
小さな習慣だったらやれそう。
自分の鼻を触ることができたし!
どんな成果が出るのか楽しみ。
とてもいい本に出合いました!
トリガーワード
モチベーション/わずかな意思/小さな目標/たった1回/66日/繰り返し/報酬/自動化/コンフォートゾーン/小さなステップ/自由/開始合図/意思決定/満足感/大きなカレンダー/コンボプラン
- 題名 小さな習慣
- 著者 スティーヴン・ガイズ
- 訳者 田口未和
- 発行年 2017年
- 出版社 ダイヤモンド社