本『Learn Better 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』を読みました/「学び」をバージョンアップさせよう!/後編

この本を読めば、「学び」に対する見方が変わります。
全体で約350ページある本です。
今回は、後半部をまとめた後編です。

筆者は、学習の方法を学ぶことは、「究極のサバイバルツール」、あらゆるスキルの前提となるスキルであると述べています。

「学び方を学ぶ」。

このスキルを身につければ、これから情報機器が発達し、時代が移り変わっても社会をサバイブしていくことができるはず。

そのテクニックを本書で学んでいきましょう。

ラーンベター表紙

第四ステップ/Extend/発展させる

学びの第四ステップは、「発展させる」。

学びを発展させる手立てとして、「なぜと問う」、「議論する」、「人に教える」が紹介されている。

その中でも、気になったのは

「今ある知識を発展させるためにはどうすればよいだろう?」

という自問自答である。

常に自分の知識を疑い、どうすれば次のステージにいけるのかという向上心が、学びを発展させるカギとなる。

どうすれば、もっといい絵が描けるだろうか?
どうすれば、もっといい物語が書けるだろうか?
どうすれば、もっといいメロディを吹くことができるだろうか?

これらの質問をもった時点で、次への扉が用意されるように感じる。

本書では、ジャクソン・ポロックやマイルス・デイビスを例に出して紹介されている。

この、「もっと、もっと、よりよいものへ」という成長への意欲を、いかに高めていくかが大切。

 

第五ステップ/Relate/関係づける

知識を関係づけるとは、自分の持っている学びの地図に、新しい知識を位置づけることではないだろうか。

著者は、「仮説を立て、テストし、繰り返す」は全ての分野に応用できると述べている。

この繰り返しの中から、体系や関連性を見つけ出すことができれば、その知識に深みが増す。

もう一つのキーワードが「アナロジー」である。
類推することにより、その知識の違いや特徴が浮き出てくるということである。

同じ轍を踏まないように、以前に体験したことを生かすというのは、普段から行っている。

これを、意識的に学びに取り入れていく。

今、学んでいる知識は、何と似ているのか、または、違うのか。
これが、知識の関連性につながってくる。

新しい知識を、今、自分のもっている学びの地図に取り入れ、位置づけることにより、学びの地図を広げることができるのである。

第六ステップ/Rethink/再考する

「自分に分かっていないことは何か?」

本書で、度々言及されている自問自答である。

ある大学では、講義の最後に「自分は何を学んだか? 理解しづらかったのはどこか? わからないと思えるのはどこか?」と自問させるそうである。

このメタ認知スキルを身につけることにより、自分の学びを、一段上のステージへ押し上げる原動力となる。

また、「分かっていないことはどこか」を知るための適切なフィードバックは、教育者の責任である。

再考には不思議な力がある。それは学習を無限のプロセスにする。たえず自分の知識の再評価をしていれば、熟慮という頭の活動が止まることはない。

 

年齢に関係なく、常に知識を新しいものに更新していく姿勢は、学びを大きく飛躍させるといえる。

 

この本を読んで、恩師の言葉を思い出しました。

「人は皆、学びの旅人」

トリガーワード

ポロック/マイルス/ハイテック・ハイ/引き伸ばし/圧縮/多民族集団/アンカリング効果/仮説/視覚的アプローチ/TEDトーク/分散学習/睡眠/フィードバック/知識とスキルを伸ばす

ラーンベター7中表紙

  • 題名 Learn Better 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
  • 著者 アーリック・ボーザー
  • 訳者 月谷真紀
  • 発行年 2018年
  • 出版社 英知出版

LIFE IS TRAVELLER