『教育研究』2022年11月号の特集テーマは、「最善の「ほめ方」「しかり方」」でした。ほめることも、しかることも、簡単なようで、難しい。本書を読み、より精度を上げていきたいと思いました。
◆ 痛い! 自分のほめ方・しかり方を反省
日本の子どもたちは、諸外国の中でも自己肯定感が低いことが指摘されているそうです。
なぜ自己肯定感が低いのか。その理由は、家庭や、学校で、否定されることが多いからなのではないかと推察されます。
とはいえ、やみくもにほめればいいというわけでないし、「アメ(報酬)」がなければ行動しない子を育てたいわけではありません。
本書を読んで、自分の「ほめ方」「しかり方」を反省しました。
◆ 賞罰モデルからの脱却
賞罰でコントロールされることがなくなれば、教室が心理的安全性に満ちた空間になるのではないでしょうか。
そして、賞罰モデルからの脱却は、教師自身が解放されることにつながるという視点は、とても参考になりました。
賞罰モデルからの脱却は、子どもを外的評価という鎖から解放するだけでなく、子どもを常に善悪で判断することから教師自身が解放されることにもつながる。
p23、島村華子、子どものほめ方・しかり方―行動主義を越えて―
適切に、「ほめる」「しかる」をすることができれば、
問題行動を予防することができるという視点も、とても大切だと感じました。
「心理的安全性」については、2022年4月号を参考にしてください。
◆ 対話的なほめ方、しかり方を意識する
対話的な「ほめ方」「しかり方」は、常に意識しておきたいことです。
この気持ちを持っているだけでも、子どもを見る視点が変わってくるように感じました。
本稿では、「ほめる」「しかる」という行為は、子どもとの対話で行う教育的行為であることに焦点化し、よりよい「ほめ方」「しかり方」について論じることを目的とする。
p.32、盛山隆雄、対話で行う「ほめる」「しかる」
盛山氏は、対話的な「しかり方」の手順の一番目に「子どもの本心(目的)を理解する」を挙げています。
そして、対話的な「ほめ方」の手順の一番目に、「問題を発見する」を挙げています。
その意図については、ぜひ本書を読んでみて下さい。
たいへん参考になりました。
「I メッセージ」とは、「私はうれしい」「私は悲しいと思った」のように自分を主語にして、私が感じたことを伝える方法です。
目の前の子どもたちの輝いているところをたくさん見つけ、
「ほめ方」の精度を上げていきたいと思います。
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◆ トリガーワード
アメとムチ/賞罰を使わない/常に試行錯誤/最善を求める/自己肯定感/大好き/プロセスをほめる/質問する/対話する/PUSH型→PULL型/自分の頭で考え、自分で決める/コーチングの手法のほめ方・しかり方/対話的なしかり方/問題行動を予防する/しかった後のフォロー/あきらめ・いいかげんは×/子どもには子どもの世界がある